法人概要
法人設立の趣旨
自閉症は、脳の働きに障がいを有するため、周囲の状況を正しく理解することができにくく、場面や状況に合う言動や会話などといったコミュニケーションに障がいが生じます。また、心の理論の発達にも遅れが伴うため、人との共感的な関係や社会性を身につけていくことが困難です。さらに、活動や物へのこだわり、感覚過敏を持ちやすいため、環境の変化や予定の変更などに強い不安や抵抗を抱えてしまい、社会生活をおくる上で様々な障がいが伴います。そこで、大分県自閉症児親の会と理事長(五十嵐康郎)が手を結び、犬飼町をはじめ、国や大分県の関係各庁の深いご理解とご協力を得ながら、社会福祉法人「萌葱の郷」を設立し、県下初の自閉症者施設「めぶき園」を開設しました。
基本理念
萌葱の郷は、成人期の就労や生活、余暇支援、あるいは幼児からの早期療育や学童期における発達支援だけに特化させるのではなく、自閉症総合援助センターとして自閉症を始めとする発達障害児者のライフステージを通じた総合的な見地から、相談、普及啓発、専門家養成などを含めたサービスメニューを総合的に提供することで、全ての人が豊かに育ち、暮らすことのできるユニヴァーサルな地域づくりを目指しています。
基本方針
- 利用者の自己実現のために真心を込めて総合的な療育支援を提供します。
- 人材育成と資格取得の奨励により、質の高い療育支援を提供します。
- 事業の総合化と人事制度により、希望と誇りのもてる法人経営を目指します。
- 自閉症総合援助センターとして、関係機関と連携し地域社会に貢献します。
行動理念
- いかなる差別、虐待も許さず、人権を尊重し敬意をもって支援します。
- 利用者の個性や自己決定を尊重し、自律的に生きられるように支援します。
- 利用者が地域社会の一員として、普通の暮らしがおくれるように支援します。
- 専門職としての使命と役割を自覚し、人間性と専門性の向上に努めます。
- 職員の一人ひとりが、創意工夫することで、経費削減と効率化を図ります。
- 職員の一人ひとりが、コンプライアンスを認識し、課題の早期改善を図ります。
理事長 五十嵐康郎
略歴
- 昭和45年3月
- 日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科卒業
在学中に休学して「ひゅうまん運動」創設 - 昭和46年4月
- 社会福祉法人 滝乃川学園児童部就職(児童指導員)
- 平成元年5月
- 社会福祉法人 滝乃川学園 退職
自閉症者専門施設開設準備に専念 - 平成3年6月
- 自閉症者専門施設 めぶき園開園 施設長就任
社会活動
全国自閉症者施設協議会会長、日本自閉症協会副会長、大分県知的障害者施設協議会副会長、大分県社会福祉施設経営協議会理事、人権擁護委員、豊後大野市障害程度区分審査会委員、九州・山口地区自閉症研究協議会地区委員、九州発達障害療育研究会常務理事 他
自閉症関係論文
こちらをご参照ください。
雑誌掲載物・講演資料
こちらをご参照ください。
五十嵐 猛
おおいた子育て総合支援センター こざいこども園長
略歴
父の勤務地であった社会福祉法人滝乃川学園にて幼児期から青年期まで過ごし、日本大学(社会学科)を卒業後、社会福祉活動を志して平成6年に社会福祉法人嬉泉に入社する。7年間、石井哲夫氏(日本保育協会理事長、日本自閉症協会会長)の師事のもとで、幼稚園から保育園、自閉症児通園、自閉症児者入所施設、日本自閉症協会ソーシャルワーカーなどを歴任し、日本自閉症協会ソーシャルワーク時には日本自閉症協会のWEBページを発足するとともに、藤井フミヤ主演ドラマ「天使が消えた街」の役作りと施設ロケのプロデュース等に務める。平成13年からは、父が滝乃川学園退職後に設立した社会福祉法人萌葱の郷に入職し、障害児通園施設なごみ園、自閉症児者相談員などを務め、平成17年には、なごみ園で使用していた教材が「算数パズルゲーム イコールカード」として小学館に採用されるとともに、教育雑誌eduの他、小学1年生から6年生の付録として反響を得る。本コンテンツは、平成18年に任天堂DS「イコールカードDS」、翌年からは「MATH PLAY DS」として海外18ヶ国で販売され、フジテレビの携帯サイト「フジテレビ算数向上委員会」のアプリとしても採用される。平成17年には大分県発達障がい者支援センター長として、福祉施設や教育機関などで数々の講師を務めるとともに、日本自閉症協会出向時に感銘を受けたショプラー氏のTEACCHプログラム構想をもとに手がけた「大分県発達障がい者支援専門員養成研修」と「専門員派遣事業」が発達障害者支援センターのモデルとして高い評価を受け、平成22年には厚生労働省の内部勉強会の講師を務める。平成24年の豊後大野市立犬飼保育園の民間移管時に、人権教育と子育て支援の統合を志して「いぬかい保育園」園長に就任し、平成26年から大分県保育連合会が運営する「大分県保育コーディネーター養成研修」を副委員長として手掛けるとともに、大分県保育連合会が制定する児童票をもとにした「イコールレーダー」を開発する。平成27年からスタートした子ども子育て支援新制度のもとでは、いぬかい保育園を幼保連携型認定こども園「いぬかいこども園」に移行するとともに、同一敷地内に児童発達支援センター、子育て支援センターを併設し、障がいの有無に関わらず、乳幼児期からのトータルな支援を目指した「豊後大野子育て総合支援センター」を設立。平成30年4月、大分市内においても子育ての総合支援体制を目指すとともに、職員の働きやすい環境を追求した「こざいこども園」を開設し、令和3年には同敷地内に児童発達支援センターを併設させて「おおいた子育て総合支援センター」を設立する。
監修著書・調査研究
- 算数パズルゲーム イコールカード公式ルールブック / 小学館(平成17年)
- 発達障がい者支援ガイド / 大分県発達障がい者支援センター(平成18年)
- 算数パズルゲーム 任天堂イコールカードDS / 電遊社(平成18年)
- イコールカード 問題集(まなぶっく) / メイツ出版(平成19年)
- 自閉症支援マニュアル / 大分県発達障がい者支援センター(平成19年)
- 任天堂イコールカード国際版 Math Play DS / Natsume(平成20年)
- イコールカード モバイル / フジテレビジョン(平成20年)
- 大分県発達障がい支援ネットワークの取り組み / 大分県(平成23年)
- 平成24年度発達障害者支援者実地研修事業「強度行動障害研修」 / 厚生労働省
- 平成25年度発達障害者支援者実地研修事業「強度行動障害研修」 / 厚生労働省
- 平成24年度障害者総合福祉推進事業「発達障害者支援センター等の相談・支援、機関連携及び人材の育成等に関する調査について」 / 厚生労働省
- 平成28年度障害者総合福祉推進事業「発達障害者支援における専門性確保のための実地研修に関する調査研究」 / 厚生労働省
- 児童票フォーマット(発達・保育経過記録シート) / 大分県保育連合会
他機関及び団体における活動等
全日本自閉症支援者協会常務理事・広報委員長、発達障害支援スーパーバイザー養成研修検討委員、大分県特別支援連携協議会委員、大分県自立支援協議会委員・児童部会長、大分県発達障がい支援専門員の会顧問、大分県知的障害者施設協議会児童部会長、大分県保育コーディネーター養成研修運営員会副委員長、大分県幼児教育推進協議会委員、大分県発達障がい者支援体制検討会議アドバイザー、おおいたこども子育て支援連絡協議会委員
研修講師等
全日本自閉症支援者協会大会及びブロック研修、発達障害支援スーパーバイザー研修、発達障害支援の地域連携に係る全国合同会議、発達障害支援マネージャー研修、子どもの虐待防止推進全国フォーラム、全国私立保育園研究大会、ホームスタート推進連絡会議、中小企業同友会、九州ネットワークフォーラム、九州地区障がい者相談支援事業合同研修会、福岡地区インクルーシブ教育研修会、大分県保育事業大会、大分県障害者就労セミナー、JVCケンウッド障がい者雇用・定着施策推進活動、その他市町村や関係団体における発達障害支援・子育て支援・人権教育等に関する研修会講師やコンサルテーション多数
五蘊分析ポスター発表(第2回日本公認心理師学会学術集会 山口大会、2022年12月11日)
インド哲学の五蘊「色・受・想・行・識」を用いた行動分析(令和2年)
発達支援の共有化と保育の専門性を伝達することに向けた研究(平成30年萌葱の郷研究紀要)
育てにくさを感じる親への支援
(平成25年厚生労働省子どもの虐待防止推進全国フォーラム) (1) (2)
強度行動障害への対応についての考察
(平成25年厚生労働省発達障害者実地研修事業「強度行動障害研修」より)