なごみの事業内容報告
いろいろな療育機関が存在しますが、そこでの療育プログラムの多くが、大人の想い込みや都合が先行したものであることが多かったり、障害児が健常児に近づくための部分的、かつ訓練要素の強いプログラムが用意されがちであることに対して、われわれなごみ園のスタッフは疑問を抱いています。
そのため、可能な限り子どもの目線に立ちながら、子どもの興味や発達段階に即した課題内容の研究や、教材の開発について力を注ぎながら工夫を行っています。その中でも特に気を配ってきたことは、子どもにとっても見通しの持ちやすい課題内容を提示することです。つまり、「何故、これを覚える必要があるのか?」「これをしたら、どうなるのか?」ということを子どもにわかりやすく説明する、もしくは予測できる範囲内での提示を行うようにしています。このことにより、子どもたちの社会的な適応力のみならず、自発性や主体性も育ってきているということが確認されます。
また、才能援助として、個の発達段階に応じた認知発達課題とは別に、個々の興味や個性、特性を活かした内容の遊びや課題内容の検討・実施を試みていった結果、眠った才能を開花しつつあるお子さんも育ちつつあります。
こうした理念的な方針のもとで、子どもの「なごみ園に来たい」と自発的にわき出てくる意欲を大切にしながら、社会的なルールや人とのコミュニケーション能力、いわゆる、人と折り合いをつけながら順番や要求交換を行っていく力を育てていくとともに、その方法についても随時指導を行っています。幼児期の子どもに対しては、母と子の信頼関係を育み、子ども自身がそれをもとにしながら自らの能力を伸ばしていけるような「母子関係」を重点においた親指導も行っており、この指導のもとで、母親の子どもの気持ちを読みとる力や関わり方、声かけの仕方に変化が見られ、子どものコミュニケーション意欲が伸びてきている事例も数多くあります。
更に、保護者に対しては、「なごみ園」の療育方針を伝えて母子関係を基盤とした発達や療育の理解を求めていくとともに、日常生活の中での発達相談を受けて助言したり、保護者同士が一緒にお子さんの発達について考える「ゆとり」の時間を設けています。学校等の関係諸機関とは、お互いにお子さんの過ごしている様子を伝えあいながら、お子さんの発達課題に対しても意見交換を行い、共通理解を持つことで連携したティーム療育・ティーム援助を行っています。更に、地域の方とは、ボランティアの要請やホールの開放等を行うことで、近隣の方や健常のお子さんとふれあう機会も意図的につくったり、利用児童の個々のライフサポートブックを保護者や関係者と作成することで子ども達への個別的な援助の手だてを明確化させるように工夫しています。
このように、多くの人がお子さんに関わることによって、お子さんの発達が促されることを期待し、なごみ園では、子どもの代弁者ともなりつつ、地域の関係機関についても関与していくことで、子ども達がより地域で暮らしやすくなるための拠点となるよう、今後も工夫と努力を続けていきたいと考えています。